幸せな人生とは
後悔しない人生を
生き抜くこと

 

序-[幸せとは、人生とは]

幸せな人生と一口に言いますが、「幸せ」とはどういうことなのか、「人生」とはどういうことなのかを最初に考えておきましょう。

幸せとは

幸せは不幸の反対であることは間違いありませんが、幸せとはどういうことか考えてみましょう。

私は学生の時、「幸福はあきらめる処にある」と論じました。
どこまで行っても、まだ欲しい、まだ欲しいと言っていては幸福感は得られないからです。
例えば給料が20万円だとしたら、30万円欲しいと思い、30万円になったら40万円欲しいと思い、どこまで行ってもまだ、まだの続きであれば幸福感は持てないと言う論です。

このことを叔父さんに話しましたら、「何を馬鹿なことを言っているのだ、何かうまいものを食べた時、あっうまいっ!と思うだろ、それが幸福感だ」と言われました。

後になって、叔父さんの方が正しいと思えるようになりました。
幸せにしても幸福感にしても同じですが、これは人の心が感じる「感じ」なのです。

熱いものに一度も触ったことのない人に、熱いと言うのはこういう感じだといくら説明しても分かってはもらえませんが、その人にちょっと本当に熱いものを触らせれば瞬間に「熱いとはこういうことか」と分かってもらえます。

幸福についても心が感じることですから、幸福感とはどういうものかを説明することはできないのです。
同じ事象を、ある人は幸福だと感じても、別の人は不幸だと感じるかもしれません。
よその人が、あの人は気の毒だと見ていても、本人は苦にしていないことだってあります。

しかし大きくとらえた場合、その事象を幸福だと感じる人が多いか、逆に不幸だと捉える人が多いかと言うことはあります。
先ほどの給料で例えれば、10万円の場合は満足する人は少ないかもしれませんし、100万円なら満足する人は多いでしょう。
100万円なら満足する人は多いにしても、まだ満足しない人も少数はいるでしょう。
ですから絶対的に決めるわけにはいきませんが、その人がどう感じるかで異なってくるのです。

「幸せな人生」にしたいとはだれでも願うでしょうけれども、何をもって幸せと言えるのかは人それぞれによって異なるのです。
給料の例でいえば、いくらなら幸せと感じるのかは人それぞれだと言うことです。

しかし、大きくとらえた場合には、10万円より100万円の方が幸せを感じる人は多いのではないかと思います。
「幸せな人生」と言う場合、給料だけではなく、非常に多義にわたる心の感じ方全体から、「幸せ」だと感じることが出来るのです。

人生とは

「幸せな人生」の「人生」とは何を意味するのでしょうか。

Wikipediaによりますと、「人生(じんせい)とは、人間がこの世で生きることや、生きている時間、経験などのことである。 人生に対する見方や、人生の意味の理解のしかたを人生観という」とされています。
人生は短い、と言われることもあります。かつては「人生わずか50年」などと言われた時代もあります。
また、人生は長い、とも言われます。「長い人生では様々なことが起きる」などです。「人生、山あり谷あり」とも言われますし、人生でのさまざまな経験や出来事を、織物の模様に譬えて人生模様ともいわれます。

「人生」とだけ言うのであれば、人生とは、上記の「生きている時間、経験などのこと」と言えます。
しかし、「幸せな人生」の「人生」と言う場合の人生は、「人生観」を意味すると考えるべだと思います。
言い換えれば、生きているその時々のことを意味するよりも、年取ってから振り返ってみて、ああ良かったなと思えるような心の感じ方を指しているように思われます。
これらの両方を考えても間違いではありませんし、片方だけでも間違いとは言えません。

「幸せな人生」を願う心として、これから生きていく毎日毎日を幸せに暮らせる人生にしたいと言ってもいいですし、後日になって振り返ってみた時、幸せな人生を送ることが出来て良かったと言えるような人生にしたい、でもよいわけです。

ただ、私の推論ですが、多くの人はこの二つのうち、後者を取られるのではないかと思うのです。
「人生、山あり谷あり」が一般的であり、毎日毎日の幸せが続けられるように願うのは少し無理な願いではないかと思うからです。
そのため、「幸せな人生」の「人生」は、人生に対する見方としての「人生観」を意味すると考えるのです。

計画と行動

「幸せな人生」の「幸せ」は心がどう感じるかであり、「人生」は「人生観」を意味すると述べましたが、幸せな人生であったと思える人生にするには、計画と実行が必要です。
それは自分の好きな道を選びだして、その道を一筋に生き抜くと言うことです。
第一に大切なこととして、計画は自分の好きな道を選びだして、この道を行くぞと決めることです。
行動として大切なことは、その決めた道をまっしぐらに、その道一筋に生き抜くということです。
この計画と実行が出来れば、幸せな人生であったと思えるでしょう。

計画

人生設計とか、人生計画と言う言葉がよく使われますが、その多くはお金の事が中心に語られているようです。
何歳で結婚して、子供はこのように教育してとか、そのためにはいくら位お金を貯めなければならないなどと言う設計計画です。

それはそれで間違っていませんし、大切なことです。
しかし私は少し見る角度が異なった方向から人生を見てみたいのです。
端的に言えば、幸せを感じられる人生であるためには、少なくとも「心に幸せ感を抱けること」です。
幸せな人生にするためには先ず最初に計画が必要です。
もっと根本的なところを言いたいのです。

どのような道を歩いて行くのかと言う根本的な姿についての計画です。
このこと無しにして、どのように貯金すればよいかと考えるのは少し早計だと思うのです。
自分の人生設計としての人生計画は、どの道を行くかの計画を立てることです。

例えば、芸術家として絵描きになるとか、音楽家になるとか、政治家になるとか色々の道がありますが、この「道」を決めることが大切なのです。
ポイントは、自分の好きな道を選ぶと言うことです。
人生設計の初めの所において、進むべき道を決める時、自分の好きな道を選ぶのが将来後悔しない人生となる秘訣です。

私自身の人生を振り返ってみた時、これから先の人生をどうするかを真剣に考え、決定したのは高校生の時でした。
人それぞれに「道」は違うと思いますが、私の選んだ道は、電気関係の仕事をして行く道でした。

この計画をもとに、電気の仕事をするためには何を勉強し、どのような大学行くべきか、当面の計画が出来てきます。
そうして、電気関係の会社に入れば、同じ電気関係であっても、品質管理方面に進むべきか、開発関係に進むべきかを考え、その計画に従って知識を蓄え、自分の計画した道を進むことが出来るようになるのです。

成り行き任せにしていては、自分の描いた人生計画を達成することはできません。
計画に基づいた行動が必要なのです。

行動

人生計画として、この道に進むのだと決めたならば、その道を生き抜くための行動が必要です。
日々状況は変化します。
良いことばかり続くはずはありません。
失敗もあれば、叱られることもあります。
その時、「自分の人生計画はこの道を進むこと」なのだと思い出し、解決手段を考えればよいのです。

しかし実際には、そのように考えて行動した経験は覚えていません。
「この道を進む」と言うことは意識しなくても、潜在意識として浸み込んでいるからだと思います。
ですから実際には、単に、問題点の解決手段のみを考えることになります。
人生計画がどうのこうのと考えている余裕がないと言った方が正解かもしれません。
もうそれは前提条件として、身体に入ってしまっていますから意識することがないのです。

別の言い方をします。
人生設計として、進むべき道を決めたなら、その道一筋に歩きなさいと言いたいのです。
他の会社に変わろうかとか、別の道に変更しようかなどと言う考えを持たれたならば、「その道一筋」に生きると言う決意は無かったことになります。
行動は日々の状況に応じていかなければなりません。
ほとんどの場合、困難を乗り切るための解決手段を考えることが多いです。
もっとも、単純作業職で現場で流れ作業をするのだと決められたのなら、そのような困難を乗り切る手段を考えるのではなく、いかに正確に早く、ミスなく作業できるかに集中しなくてはならないでしょう。
作業職に生きると決めたなら、その作業職という道を一筋に生き抜く事が必要なのです。

まとめ

「幸せな人生」を願うなら、自分はどういう道を進むべきかを決定し、その道「一筋に生きる」ということです。
人生計画は道を決めることであり、行動はその道一筋に生き抜くと言うことです。
その道を決めると言うことは自分の一生を決めることであり、非常に大切なことです。

そうしてその道を決めたなら、その道一筋に一生懸命生き抜く事です。
そうすれば、「人生を楽しむ」ことが出来るのです。
言い換えれば、幸せな人生、後悔しない人生を生き抜くことができるのです。


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