夫婦喧嘩
無言無視されても
仲直りは出来ます

 

夫婦喧嘩

夫婦喧嘩はどこの家庭にもあること。無言無視されてもしばらくすれば自然に仲直りできるのが大半です。
意見や考え方の違いは当然ですが、夫婦は早く仲直りしたいものです。

夫婦

夫婦と言うのは結婚して同じ屋根の下で暮らし、子供を育て、仲睦まじく過ごしていくのが当然と考えておられる方が多いと思いますが、そんなに簡単にはいかないのが普通なのです。

生まれも育ちも違う他人同士が一緒になったのですから、考え方も価値観も違っても不思議ではありません。
どうコントロールするかと言うことです。

まず、夫婦とは何なのかを最初に理解しましょう。いや、もう一度考えてみましょう。
日本における夫婦の前に、別の国の夫婦の在り方を知るのも参考になります。
日本のようにほとんど全ての権利や義務を妻も夫も同等だと考える国もありますが、、各々の権利や義務は異なると考える国もあります。
夫の義務を重要と考える所や、妻のほうに重い義務を持たせる所もあるのです。

フランス
フランスでは結婚時にあらかじめ契約書に財産について細かく記述することが一般的です。
例えば、男性が数十億の資産を持っている人で、女性が無一文の人である場合、離婚しても、もともと男性が持っていた財産が女性に渡ることはなくなります。
男女が逆の場合でもあらかじめそういった内容の契約書を書くのが一般的です。
このように結婚の時に意思表示すれば、夫が稼いだお金は夫のお金、妻が稼いだお金は妻のお金とされます。
そうして、もともとの財産も混同しないようになっています。

しかし二人で家を借りている場合は、夫も妻も均等にその家賃を分担するべきだと考えるのが普通であり、男女同権を重んずるフランスではそれが正しいことだと考えられています。

つまり、結婚相手の財産を奪ってしまうような離婚は阻止できるようになっているのです。

結婚相手のもともとの財産や、婚姻中に稼いだ給料の半分を奪うことを期待する不純な結婚ではなく、純粋に心の相性として本当に一緒に暮らすという人々が多くなってきています。

イスラム
イスラム圏では、男は複数の妻を持つことができます。
男としてみますと、うらやましい所もありますが、決して男性にとって楽しい家庭とは限らないようです。
イスラムでは複数の妻を平等に愛し、平等に庇護しなければならないと規定されています。
そのため金銭的負担が非常に大きいですし、妻たちの間にうまれてくる嫉妬や喧嘩をなだめたりしなければならず、実際には苦行になってしまうとも言われています。

イスラムの文化圏においても実際に一夫多妻となっている状態は国ごとに大きく異なります。
西アフリカのブルキナファソでは54.7%。コートジボワールで35%。中央アフリカのチャドで39%、東アフリカのジンバブエで11%、中東のイエメンで7.1%となっています。

イスラムでは男性は40歳をすぎると、働くことは妻にまかせてしまう国が多くあります。
男性は40歳ころまではよく働くのですが、40歳くらいになると、妻に仕事をしてもらうようになり、妻が働いている間、夫たちは立ち話したり、世間話をして過ごすようになるのが一般的です。
妻たちの方はせっせと働くようになるのです。
トルコ人の場合、例えば米国に移住しても、妻のほうがせっせと働いている間、夫はのんびりと過ごすことが多くなるようです。
夫婦で商店を経営している場合、妻がせっせと手を動かして汗をかいて仕事をしているのに、夫は椅子にのんびりすわり、おしゃべりして過ごす、という生活をしていることが多いようです。

日本
日本の法律では、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」となっています。
夫婦は「同居、協力、扶助」という三つの義務を協力して履行しなくてはならないのです。

このような義務を怠り、相手方を置去りにしていなくなってしまったり、相手方を追い出したりすることは「悪意の遺棄」に該当する可能性があります。
また、病気にかかった相手方を長期間放置したり、自分は収入があるのに生活費を入れない行為なども「悪意の遺棄」となります。
このような「悪意の遺棄」である場合は、民法違反になり、離婚理由として認められることになります。

しかし夫婦関係を見なおすための合意の上での別居、子供の病気療養の為の別居、単身赴任など正当な理由がある場合は「悪意の遺棄」にはなりません。

日本では、昭和になって夫は企業で働き、妻は家事をすると言う「専業主婦」パターンが多くなりました。
しかし中には、激しい競争をするよりも家事の方が良いと言う男性もある程度はいます。このような場合、夫婦間で相談し、夫が専業主夫をする夫婦も最近は増えてきています。

夫婦喧嘩

「夫婦喧嘩は犬も食わない」とよく言われますが、これは、放っておいても自分たちで自然に仲直りするから、余分な口出しはしない方が良いと意味も持っています。

「夫婦喧嘩をしたことはありますか」という調査をしたところ、なんと90%の人が「夫婦喧嘩をしたことがある」と答えています。
内訳は次のようです。
毎日:2.3%、 週1〜2回 : 16.2%、 月1〜2回 : 27.0%、
年1〜2回 : 25.3%、 数年に1度 : 19.2%、 喧嘩しない : 10.0%
ほとんどの夫婦は多かれ少なかれ夫婦喧嘩をしているのです。

その原因については
態度や価値観に対する場合が27%、子供、家事、生活習慣などが55%となっています。

仲直りするまでの時間は
寝て起きたらなかったことにする:44.8%
喧嘩してもすぐに:24.7%
2〜3日から1週間以上:30.5%

仲直りする時はどちらからは
夫からが64.1%  妻 からが35.9%

夫婦喧嘩から離婚の危機に至ったかについては
はいが18.5%  いいえが81.5%

以上のようになっています。

地域ごとに特徴があり、甲信越地方は「ケンカの頻度」が高く、四国地方は、「ケンカの頻度」がかなり低くなっています。
九州地方では仲直りは「妻から歩み寄る」割合が高く、「離婚の危機」が低いなどです。

2013年のNHKの調査では、「夫婦喧嘩をしますか?」との設問に対して、「喧嘩をする」と回答した人は72%、「しない」は22%とされています。

最近の日本の夫婦喧嘩の大きな原因としては、家事のしかた、物の置き場所など、日常的で些細なことが原因となっていますが、やがて離婚問題など大きなものにしてしまうこともあります。
このように家事などがきっかけとなるのは、最近女性が夫も家事をすべきだと考える傾向があり、同じ領域での意見の相違が起きやすくなってきていることも原因と考えられています。

良い喧嘩と悪い喧嘩

夫婦喧嘩には良い喧嘩と悪い喧嘩とがあります。

八つ当たりしてしまう。
ののしる。
意見が違う。
主張がちがう。
価値観が違う。

などなど色々でしょうが、大きく分けると二つに分けることが出来ます。
一つは「建設的な喧嘩」、もう一つは「破壊的な喧嘩」です。
「建設的な喧嘩」は良い喧嘩であり、「破壊的な喧嘩」は悪い喧嘩です。

「建設的な喧嘩」
夫婦と言っても元々は他人であり、生まれも育ちも違います。
永年一緒に生活してきても意見の相違や主張は異なりますから、議論にならず喧嘩になってしまう場うもあります。
お互いの現在の考えを考慮しないで自分の意見だけを言うからそうなってしまうのです。
でも、その喧嘩の内容は単なる意見や主張の違いなのですから、本来、気を静めて話し合えば何らかの結論は引き出されるはずであった喧嘩なのです。

こういう喧嘩は夫婦間の中を引き裂くようなものではなく、精々次の日までダンマリになるくらいの事です。
この種の喧嘩は必ずと言ってよいほど、ほとんどの夫婦で経験されているのではないでしょうか。
しかし今も言いましたように、本来意見の議論の場とすべきものであり、建設的な喧嘩と言うことが出来ます。
別の意味では、ストレスの解放となり、良い喧嘩と言うこともできます。

「破壊的な喧嘩」
簡単に言えば高低差のある喧嘩です。
例えば、強引に自分の意見を通すことです。喧嘩にならない喧嘩をしてしまうわけです。
強引に通されてしまった方は、言い返すこともできず、不満をため込むことになります。

相手と主張が異なった時、議論も言い合いもほとんどしないまま、実行行為に及ばれれば、喧嘩している暇もないわけです。
やむなく相手の言うことを聞かざるを得ませんが、不満はたまります。

このような喧嘩が続きますと、うっぷんはたまり続け、夫婦としての愛情にまでひびが入り始めます。
その行きつく先は、大爆発です。
大爆発の起爆剤には些細なことも原因となりえます。本来は建設的な喧嘩で済むはずのものが、大爆発の起爆剤となり、夫婦間の愛情の薄くなっていたところが破れてしまいます。

別居とか、離婚とかに発展して行く可能性があるのです。
ストレスを溜め続けさせる喧嘩は「破壊的な喧嘩」となります。
悪い喧嘩です。

喧嘩の回避も良くない
夫婦喧嘩はしたことがないと言われる方も少数ですが、居られます。
喧嘩をしないのは三つのパターに分かれます。
そのうちの二つのパターンは問題がありませんが、一つだけ問題になるパターンがあります。

第一パターン
そもそも喧嘩の種がないので夫婦喧嘩にはならないパターンです。
これは理論上は有りえても、実際にはどうでしょうか。非常に珍しいことだと思います。

第二パターン
喧嘩にならないよう上手に逃げる。
例えば、妻が「頼んでおいたのに、やってないじゃないの!」と怒り口調で言った時、
夫は、「あっしまった、忘れてた」と言ってすぐ実行すれば喧嘩にはなりません。
あるいは、夫は、「そんなこと頼まれたことないのに」と思いながらも、「あれそうだったか、忘れてたよ」と謝る場合も喧嘩にはなりません。
この例のように、寛容な夫、器の大きい夫の場合は上手く喧嘩を回避することが出来、ストレスもたまりませんから問題はありません。
妻と夫が逆でも同じことですし、要するにストレスにならないように喧嘩を回避できると言うことです。

第三のパターン
上記の第二パターンの例において、夫が、
「あいつめ、何時ものこととはいえ、無理ばかり言いやがって」と思いながらも、喧嘩を避けるために渋々承知したふりをする場合です。
この渋々はストレスとなって蓄積していきます。無意識のうちに心の中にたまって行くのです。
これが度重なりますと、大爆発する可能性が否定できません。
些細なことが起爆剤となって大爆発してしまうのです。
この例のような場合は、まだ若く、寛容性にも欠けながらも喧嘩は避けなくてはならないと思う人が陥りやすいパターンです。
自分の許容限度がまだわかっていません。爆発限界には程遠いのか、間近なのかの区別がつかないのです。
爆発限界に近付いていることに気が付かず、喧嘩は避けなくてはならないとの思いが先行するからです。
この第三パターンのような喧嘩の回避は宜しくありません。
喧嘩した方が良いです。
建設的な喧嘩を行った方が良いのです。

仲直り

仲直りの前に、それは本当に喧嘩なのか考える

夫婦喧嘩の大部分は些細なことが原因です。
仲直りしなくちゃと、思う前に、それは本当に喧嘩なのですか?
喧嘩になる前によく考えてみてください。

単に、注意されたとか、叱られたとか、怒られたと言うことではないのですか。
その言葉に、つい、自分が反論したに過ぎないことが多いのです。

言い合っている間にこのことに気が付けば、喧嘩は即座に収まります。
仲直りの一番の早道です。

無言無視のとき

夫婦喧嘩の後は、まず大抵の場合は無言状態となり話をしなくなるとか、無視する状態になるものです。

そういう無言無視の場合の仲直り方法としていろいろネットに出ています。
「夫婦喧嘩 仲直り」か何かで検索してみてください。いくらでも出てきます。
私がここで書く必要もないくらいです。
その中から例を拾ってみます。

  普段通りに接するようにする
  スキンシップを取る
  美味しいものを用意する
  メールを送る
  挨拶をする
  隣に腰掛ける
  プレゼントをする
  子供を介して謝る
  話し合いをしてみる

などいくらでも出てきます。
ご自分に合った方法が見つかるまで検索してみるのが良いかもしれません。
大抵見つかると思います。

しかし、私の提案は一つです。
些細なことで夫婦げんかした時、相手が無言を決め込んていたら、その晩は互いに離れて別の部屋で休みましょう。
そうすれば、落ち着いて考えられますから、原因は些細なことだったと分かります。
すると、こういう態度でよいのか心配になりますが、意地もありますから謝りたくはありません。
そこでです。
次の日の朝、夫の方から、「おはよう」と声をかけることです。
昨日はごめんね、は必要ありません。
夫の方から、「おはよう」と言うだけでよいのです。

これだけで大抵の場合は仲直りできます。
ダンマリの無言とか、無視だったとすれば、お互い、反省し、きっかけを待っている状態ですからこれで充分です。

少し根が深い時

早い方が良いです。
心の傷が深くならないうちに、里に帰ることを勧めるのが良いです。

婿養子なら、妻から夫にそう勧めます。

そうして一週間ほどして、迎えに行きます。
仲人や知り合いの人に行ってもらうのではありません。
自分で迎えに行くのです。

プライドもありますから平謝りすることは出来ないでしょうし、そんなことをすれば、見え見えです。
「喧嘩は無かったことにして、帰って来てくれないですか」と帰りを促せばよいのです。

すると、何か条件を出してくるかもしれませんが、即答は避け、帰って来てから話し合うことにするのが一番だと思います。
とにかく自分の足を運ぶことが、夫婦の絆を切らないためには必要なことです。

積もり積もっていたのが爆発した場合

不満がつのり、夫婦としての愛情も薄らいできている時に、些細なことから喧嘩が始まって、大喧嘩になった場合です。
多分その夜はもうすでにその家にはいないでしょう。
里があれば里に帰るでしょうし、里がなければホテルとか友達のところとか、とにかく別の所に行ってしまうはずです。

こうなったら、もう、無言無視の状態からは遠く離れている可能性が高いです。
仲直りの仕方は無い場合も出てくるでしょう。

一、二か月したら、今後について話し合いをと申し出て、もう一度やり直すのか、別居生活を続けるのか、離婚に持って行くのか方向を決める必要があります。
夫婦と言うのは、以心伝心です。
片方が嫌いなら、その気持ちは相手にも伝わり、相手もほとんど同じ気持ちになっていると考えた方が良いでしょう。
一方だけが嫌いになることはまれだと思います。
もし、深い亀裂が出来ていても離婚が成立しない場合は、財産などに執着のある場合があります。

ただ、浮気が原因の場合は少し違います。
夫婦の愛情はあるのに、別の人に近づいただけです。
浮気を謝り、今後一切しないと誓えば元の夫婦に戻れる可能性は残っています。

いずれにしても、今後どうするかの話し合いをすることが必要です。
話し合いの前に、喧嘩をし直すのではなく、意見の交換会だと言うことを約束してからにしましょう。



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