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刈り込んでもツンツン伸びるとか、虫がつくとか、庭石を据えてみるとか庭の手入れも意外に大変です。 庭の好きな近所の方と教え合ったり考えたり、仲良くするのも人生を楽しむコツです。 刈り込んでもツンツン伸びるなど私の庭には、イヌマキ、ツツジ、カンツバキなど刈り込むものもあります。毎年適期には刈込をするのですが、どういうわけかそのうち、ツンツン伸びてくるのです。 丁寧に刈り込んでいるのですから、皆一斉に成長してくれれば良いのですが、2,3本突き出してくるのです。 仕方なくまた梯子をたててツライチに切ります。 毎年同じようなことになりますがその繰り返しでした。 あるとき、会社の庭を手入れしている職人さんに聞いてみました。 「刈り込みしているのですけど、ツンツン伸びに困っています。何か良い方はないでしょうか」と。 職人さんは教えてくださいました。 ツンツン伸びたからと言ってツライチにしても駄目ですよ。 中に手を突っ込んで基から切らないと、また来年出てきますよ。 原因は、何本もの細枝の中には、元気のいいのが居て、それが伸ばしてくるのですから、その元気のいい枝を基から切ってしまうことが必要なのですと。 なるほどと思いさっそく実行してみることにしました。 刈り込んでからツンツン伸びたのを切るには二度手間がかかりますので、はしごを建てて、今から刈り込むぞと言う時、背の高くなっている枝を基から切ってしまい、それから刈込します。 実行してみましたら驚くほど効果がありました。 全く100%と言うわけではありませんが、ずいぶん少なくなりました。 この原理はどの木にも当てはまるようです。 職人さんに聞いてみてよかったと思います。 庭石の組み方は一応勉強し、チエンブロックやワイヤーなどもそろえました。 庭師は入れたことがなく、全部自分でやっています。 石をトラックで運び入れてもらい、自分で組んでみました。 石にも表や裏がありますし、上下もあります。 石屋さんが気になったらしく、後で見に来られました。 素人にしてはまずまずだけども、この石をこんな奥の方に据えてもらうと、私は残念だね。この石には思い入れがあるんだよ、と言われてしまいました。 もう一つ言われたことは、「わしはいつでも若いもんに言うのだけれど、百年持つように据え付けよ、そうでないと時がたつと傾いてきたり、登ると倒れるなど危ないからな」、 と教わりました。 先人は色々知っておられます。 機会あるごとに聞いてみると役に立ちます。 ツツジのグンバイ虫にも閉口しました。 白く小さな虫がたくさんいて、枝をゆすると一斉に飛びます。 また、ツツジが大方花を咲かせるかなと思う頃、つぼみが虫に食われてしまうのです。 結局これは2回の消毒で解決しました。 冬に石灰硫黄合剤と、春先にスミチオン消毒でよくなりました。 庭全体をこの二回消毒をするのが効果的です。 松の手入れは5月の緑摘みと初冬のもみあげです。 教科書にそのやり方は書いてあるのですが、はっきり言って、駄目ですね。 基本原理は確かにその通りですが、単に原理だけでは松の形が良くなってきません。 原理から外れても、ここは伸ばすぞ、ここは短くするぞ、などという自分の意志で剪定しませんと形は良くなりません。 しかし近年、足腰が弱くなり、体力不足になってきましたので、泣く泣く松の木を切ってしまいました。 鋸を入れる時には、松に向かってお礼を言い、謝りました。 長い間楽しませてくれてありがとうな、でももうお守りできなくなって来たんだよ、ごめんな、ごめんなと。 家の表と裏に庭があり、表に3本、裏に1本松がありました。 表の松は3本とも切ってしまいました。 裏の一本は残してあります。これはわりと背が低く、低いはしごでも手入れできますのでこれだけは残してあります。 近所の方私は若いころから庭が好きで自分で手入れしてきました。自分の庭ですから、出来が良くても良くなくても文句は言われませんので、自分の好きなようにしています。 後年になってから、庭について通信教育で勉強することにしました。 お金もかかりますが、国から補助が出ることが分かり、申請しましたら通りましたので助かりました。 通信教育は教科書が渡され、自分で勉強して答案用紙に回答を記入して、送ります。 定期的に、今回は何ページから何ページまでと決まっています。 最初の頃は教科書をつぶさに見れば、必ずどこかに答えが載っていましたから良いのですが、後の方になりますと、応用問題が多くなります。 そうなりますと、この回答でよいのか心配になります。 でも、とうとう100点を取り続けることが出来ました。 その結果、最優勝賞となり、表彰してもらえました。 おまけに、新聞社からも表彰され、新聞にも紹介されました。 そのように基礎の勉強はしたつもりです。 でも、どれだけ役立ったかは疑問です。 近所の方で、庭の手入れが上手な方が居られます。 このかたも庭師を入れたことがなく、自分で手入れし、石も組まれます。 この方と本当に親しくしています。 その方の家に上がり込み、当人の作られた庭を眺めながら一杯やるのです。 私はたいていの場合、手ぶらでお邪魔します。 その方は、お酒はもちろんのこと、いろいろ美味しいご馳走を作って待っていてくださいます。 奥さんも時々いっしょに飲まれます。 2,3年前の事ですが、その方が、「大きな石を動かすために、神主にお祓いしてほしいので、神主を紹介してほしい」と頼まれました。 私は神社の氏子総代をやっていますので、神主を知っています。 お払いも済み、無事に石の移動も終わりました。 その方が、「庭が出来上がったから、また、一杯やりましょうや」と言われ、いつものことながら出かけて行きました。 素晴らしい出来栄えです。 さんざん褒めたのですが、一か所だけ私の勉強してきた基本には適さないと思える所がありました。 空池のふちが少し大きめの石に当たって止まっているのです。 ふちを少しどちらかに振る方が良いとお話ししました。 しばらくしましたら、飲み直しだとの話。 また出かけて行ってみましたら、池のふちが直してありました。 結果、素晴らしいお庭になっています。 この方は、経験を主体にして松の手入れから何もかもされます。 松の手入れは私よりよほど上手です。 松の手入れは教科書通りではうまく行きません。 この近所の方の方が間違いなく上手です。 庭全体のバランスも、理屈ではなく、綺麗で安定感があります。 この方とは町内祭りでも一緒に活動しています。 近所の方と仲良くすることは、庭の手入れについての知識交流だけでなく、生活して行く上での和が生まれますので人生を楽しくしてくれます。 そのほかの近所の方も良い人ばかりです。 皆さんに仲良くしていただいています。 表で庭の手入れをしていますと、皆さんが声をかけてくださいます。綺麗になりますねなどと。 楽しい人生を送るためには、好きな道を歩くことが大切ですが、このような身近な人たちとの交流も大切にしたいものです。 |