おかげさま

 
人生を楽しむ秘訣の一つは感謝の心です。何事も「おかげさまで」の心で暮らせば人生は楽しくなります。
ここでは「おかげさま」について語源やその意味など説明してみたいと思います。

お陰様は人生の基本

おかげさま

声をかけられて、「おかげさまで」と答えを返すことは日常の事です。
大変良い返事ですし、いつもその精神で生活できればきっと良い人生になることでしょう。

その「おかげさま」の意味をもう少し見てみましょう。
「おかげさま」は「おかげ様」です。「おかげ」に様の字を付けて丁寧に言っているわけです。

更に「おかげ」は「かげ」に「お」を付けてあるのです。尊敬の意味を込めて「お」を付けているのです。

「おかげさま」の中心は「かげ」ということになりますが、「かげ」を漢字でかきますと、「陰」となります。「蔭」と書かれる場合もあります。
「お陰さま」なのです。
この「陰」とはどういう意味でしょうか。

これは仏教の教えから来ています。

人間は一人では生きていけません。
自分で何かを成し遂げたと自慢している人を時々見かけますが、決してそのようなことは出来ないのです。
その人は食事もしているでしょうが、その食事の材料はだれがどのように作ってくれたのでしょうか。
お米にしても農家の方が手塩にかけて育てられたものでしょうし、そのお米を運ぶにはトラックだったかもしれません。
そのトラックはどのようにして作られたのでしょうか、多くの人の努力が詰まっているのです。
お米だけではありません。ご飯に炊き上げねばなりませんがそのためにも多くの人の努力が詰まっているのです。
そのような色々の人の「おかげ」で食事ができ、その人は何かを成し遂げることが出来たのです。
決してその人一人でできたのではありません。

今、私はパソコンに向かって書き込んでいますが、このパソコンがここにあるのも多くの人々の「おかげ」です。

もう一歩突っ込んでみましょう。

その多くの人々はどのようにして仕事をすることが出来たのでしょうか。 電車やバスで通いながらパソコンを作る仕事をされたのでしょうが、電車やバスがなければパソコンを作る仕事もできなかったでしょうし、第一その人々が生まれておられなければこのパソコンはなかったわけです。
魚や草木が無ければ食料も出来ません。
草木が育つためには太陽も必要です。
こうして考えていくと、やがて限界に行きついてしまいます。
この地球や太陽、そうしてこの宇宙あたりまでは想像することが出来ますが、どうしてこの宇宙ができたのか、その宇宙の出来る前はどうだったのかとなると、もはや想像すらできません。
不可思議な働きの「おかげ」で太陽があり、地球があり、多くの人々があり、パソコンがあるのです。

不可思議とは人間が思うことのかなわないという意味です。
神や仏の働きと言っても良いでしょう。

結局、先の自分が成し遂げたと言われる方も、このパソコンも、あるいは今ここにいる私も、神や仏の「おかげ」になっていることになります。
この不可思議な働きの「おかげ」がなければ何一つ存在できないわけです。

この不可思議な働きの「おかげ」のことを、仏教では、「陰」として、仏の慈悲であり、人々が幸せに暮らせるようにとの「願」であるといわれています。 「お陰様で先日こどもが授かりました」と手紙に書けば、まさに「かげ」のことを述べたわけです。
知らず知らずのうちに、日常的に「おかげさま」という言葉を使っているのです。

神仏の「おかげ」もありますが、もっと身近の所に寄ってみれば、パソコンの「おかげ」で書き込みが出来ているのですし、このパソコンを売ってくださった家電量販店の担当の方の「おかげ」でもあるのです。
また、適当なお金があった「おかげ」でこのパソコンを買うこともできたのです。

「おかげ」ということは、私や貴殿などすべての人々の周りに満ち満ちているわけです。

感謝の心

人生とはその人の経験や学習など生まれてから死ぬまでの時間の間にあった事柄の全てです。
人生感とは、その人生を振り返ってみた時に、自分が自分の人生をどう感じるかということです。
一人ひとり異なった人生を送り、異なった人生観を持ちます。

ですからすべてに共通する法則はありませんが、多くの人がより良い人生観を持つことが出来る要素はあると思います。
毎日毎日をイライラし、怒りながら生活を続けてきた場合には、多くの人はあまり良い人生だったとは感じられないと思います。

逆に、多くの日々を豊かに過ごしてこられた方は、多くの場合、良い人生だったと感じられると思います。
毎日毎日の事ですから、すべての日が良い日であることは難しいでしょう。時には夫婦げんかもするでしょうし、事業に失敗する場合もあるかもしれません。

しかし自らの人生を振り返ってみた時、ああ良かったな、と思えるような人生にするには常に感謝の心をもって過ごすことです。
神や仏とまでは言いませんが、部下や上司、妻や子供、近所の人たち、仲の良い友達、すべての人たちに感謝の心をもって過ごすことです。
向上心は良いですが、敵対心は宜しくありません。
みんなの「おかげで」ここまで来ることが出来ているのだと「感謝」を忘れないことです。
「おかげで」と思うことは、「感謝の心」を持つことと同じです。
部下や上司の「おかげで」、妻や子供の「おかげで」、近所の人たちの「おかげで」、仲の良い友達の「おかげで」と感謝することです。

感謝の心は人生を楽しむための基本の一つなのです。人生を楽しむためには、愛も必要です。また好きな道を選ぶことも大切です。
そうしてこの道を行くぞと決めたなら、一筋に歩き通すことが大切だと思います。
「おかげ様」の心を常に持ちましょう。



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