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好きなことを仕事にすることが人生を楽しむコツです。 しかしそれには計画と準備と努力が必要なのです。 好きな道でも辛い時もあります。 でも好きだからこそ乗り越えられるのです。 好きな道好きなこと私は子供の頃から電気関係の物を作るのが好きでした。夏休みの工作はほとんど電気工作を出しました。 鉱石ラジオ、扇風機、トランス、水力発電機などです。 私の小さい頃はまだ家に電気が来ていませんでした。ランプ生活です。 それが、電工さんたちが電柱を建て始めたのです。 ずっと見学していました。 あるとき、「ぼうや、君の家にしょうゆはないかね」と聞かれました。 持って行きますと、蛇の皮をむき、道端で焼いて食べておられました。 私も一切れ頂きましたが、美味しかったです。 しばらくしたら家に電灯がともりました。 子供ながらに感激しました。 明るいのです。 この電工さんの仕事を見ていたのが電気を好きになった始まりです。 家の中で2階から下の部屋までタコ糸を張り巡らし、電工さんの真似をして遊びました。 ただ、大問題を起こしてしまいました。 脚立に登って糸を張っていたのですが、足をすべらせ落ちてしまったのです。 落ちたところが囲炉裏です。大きな鍋で麦が煮てありました。 この中に落ちてしまい、大やけどをしたのです。 小学校に入って、子供の科学という雑誌を毎月買ってもらいました。 色々の事が書いてあり、電気の事も書いてありました。 電気だけでなく、物を作ることが好きでした。ただその中で電気物が一番面白かったのです。 鉱石ラジオを作ったり、乾電池を作りました。 その後もトランスを作って県大会まで行き、新聞にも載ったりました。 人生の計画高校の時、これから自分はどう進むべきかを考えました。人生としての計画を立てようとしたのです。 私は物理と数学が得意でした。 得意と言うよりも、物理と数学しかできないと言った方が良いかもしれません。 この、物理か数学を活かす道を考えたのです。 数学の先生になることも考えました。公務員となり安定した生活を考えてみたのです。 もう一つは、電気の会社に勤めることです。 人生の計画を立てるのですが、そのどちらにすべきか本当に悩み考えました。 真剣に計画を考えたのです。 考えた末、大好きである電気の道を選ぶことにしました。 会社に入るわけですから、倒産などの心配もあるのですが、好きな道、電気を選んだのです。 準備電気関係の会社に入り、設計者としての道を志したのですが、その道に入って行くためには準備が必要です。まず、大学に行って電気の事を学ばねばなりません。 電気工学科のある大学を探し、試験に合格しなくてはなりません。 大学に行くためには合格できる可能性のある試験科目を考えなくてはなりません。 私は物理と数学しかできないのです。 色々の大学を探しましたら、電気工学科もあり、物理と数学だけの試験でよいと言う大学が見つかりました。 たった2科目だけでよいと言うのですが、これは特別な試験でした。 給費生と言って大学からお金を貰えるのですが、超難関です。 でも私は物理と数学なら得意でしたので、ここに狙いを定めました。 その大学の電気工学科では1名だけ合格できる超難関です。 人生の計画として、好きな道である電気の道を歩くことにし、大学は電気工学科に行こうとしているわけです。 ここで必要なことは、その大学に合格することです。 超難関を突破する必要があります。 計画だけで実行できるものではありません。 実行できるための準備が必要です。 受験勉強です。 試験に合格しなくてはなりません。 得意な科目であるとはいえ、それはこの高校での話であり、全国から集まる受験生と立ち向かわねばなりませんから、必死の勉強を始めました。 家では兄夫婦の子供が騒ぎますので、土蔵の中で勉強することにしました。 空調が無くても土蔵の中は快適ですし、音は全くしません。静まり返っています。 参考書は何冊も買ってくるのではなく、一冊を何回でも勉強し、どこに何が書いてあるか全部わかるほど勉強しました。 この好きな道を歩くための準備はできました。 自分としてできるだけの準備はやりました。精いっぱいの努力をしました。 試験に合格できるかどうかはやってみないと分かりません。 試験を受け合格発表を待ちました。 合格できました。!! 万全の準備をしたおかげで大学に合格できたのです。 大学からお金を貰えるのです。 電気工学科で1名だけの合格者です。 人生としての道を計画し、準備を整え、その道のスタートに着くことが出来たわけです。 これからはこの道を歩き通さねばなりません。 努力大学に入学は出来ましたが、思わぬ努力が必要になりました。電気工学科で常に上位に居ないと給費生の資格が無くなってしまうのです。 それが、全科目の合計点で上位が必要なのです。 物理と数学だけなら問題ありませんが、一番嫌いな英語やドイツ語もあります。 なんとか勉強を重ねて給費生のまま卒業できました。 担任の先生の紹介で電気物の製品を作っている会社に入ることが出来、夢に描いていた設計業務に着くことが出来ました。 それも新製品開発の設計です。 人生として計画し、準備してきた道に完全に乗ることが出来ました。 しかし社会と言うのはそんなに甘いものではありませんでした。 自分の好きな道を仕事にできたのですから言うことないはずなのですが、これが過酷なものだったのです。 子供の頃、電気の工作を楽しんでいましたが、この会社での新製品開発は基本的には同じなのですか、大きく異なるところがあるのです。 まず納期があることです。 いついつまでに開発完了せよと期間が決められます。 更に難しいのが製品コストです。 新製品として新しい機能を開発することはさほど難しくありませんが、これを安くできるように設計しなければならないのです。 お金をかけても良いのなら簡単ですが、それでは他社に負けてしまいます。 低コスト、高機能、短期間の開発です。 誰も作ったことのない物を作るわけですから、失敗ばかりです。 納期は迫ってきますし、機能は出せてもコストが合わず、再設計です。 毎日毎日残業です。深夜残業です。夜中の2時3時になります。 翌朝は定時出勤です。 家内にも負担をかけてしまいました。 子育ても、家庭を守るのもみな家内任せです。 部下にも多大な協力をしてもらいました。 そんな部下が大好きです。感謝もします。 上司や部下にも常に愛と感謝を持つことが大切です。和の元になります。 このような苦労と努力の末、やっと新製品が完成します。 お客様に使ってもらえ、喜んで頂いた時には本当に嬉しいです。 自分の好きな道ですから、苦労はしましても、嫌だとは感じません。 趣味と仕事が一緒のようなものです。 努力努力で困難を乗り越えるのです。 好きな道であればこそ、努力できるのです。 もしこれが嫌いな仕事であったとすれば、耐えられませんね。 人生を楽しむためのコツは、愛と感謝を持って、好きな道を一筋に歩くことです。 そのためには計画と準備、そうして困難を乗り越える努力が必要なのです。 そうすれば、後でこの人生を振り返ってみた時、ああ良かったなと思える人生になります。 悔いのない人生とすることが出来ます。 |